浮世の画家(カズオ・イシグロ) 感想

あらすじ 戦時中、日本精神を鼓舞する作風で名を成した画家の小野。多くの弟子に囲まれ、大いに尊敬を集める地位にあったが、終戦を迎えたとたんに周囲の目は冷たくなった。弟子や義理の息子からはそしりを受け、末娘の縁談は進まない。小野は引退し、屋敷に…

少年は残酷な弓を射る(ライオネル・シュライヴァー) 感想

あらすじ 自由を重んじ、それを満喫しながら生きてきた作家のエヴァ(ティルダ・スウィントン)は、妊娠を機にそのキャリアを投げ打たざるを得なくなる。それゆえに生まれてきた息子ケヴィン(エズラ・ミラー)との間にはどこか溝のようなものができてしまい…

パレード(幻冬舎文) 吉田修一 感想

あらすじ 東京都内のありふれたマンションの一室で、共同生活をする男女4人の若者たち。18歳の男娼、サトルがシェアハウスに加わった後も5人はなんともいない距離感をとりながら、「上辺だけの付き合い」を続けていく。それぞれ悩みを抱えながらも、マンショ…

この闇と光(角川文庫) あらすじと感想

あらすじ 戦いに敗れた王の娘、盲目の姫・レイアは塔の中に閉じ込められ、外に出ることなく生きていくことになる。彼女の身の回りに存在する人間は二人。父たる王と侍女のダフネだ。王は優しく、塔の中のレイアのことを溺愛し、目が見えないレイアのために本…

ヴァンパイア・サマータイム(ファミ通文庫) 石川博品 あらすじと感想

あらすじ まず設定。ヴァンパイアが当たり前のように受け入れられている社会です。彼らは実際に血を飲んだり、夜にしか行動できなかったりと、おきまりの吸血鬼的特徴を備えていますが、血はパックに保存されたものを飲み、学校は夜中に行きます。つまり何の…

もらい泣き(集英社文庫) 冲方丁 感想

『もらい泣き』は筆者冲方氏が経験したことや、耳にした体験談など、「実際に起こった泣ける出来事」を30編ほど収録した短編集になります。ノンフィクションだからといって、小説と比べて地味な話ということはなく、ちゃんとじんわりとした感動を味わうこと…

オーデュボンの祈り(新潮文庫) 伊坂幸太郎 感想

振り返ってみると自分の読んだ伊坂幸太郎作品もこれで5冊目くらいでしょうか。初めて読んだ伊坂小説は『重力ピエロ』でした。しかしまあ、あの時は正直「なんか気に入らないなあ…」と読了後、もやもやした気持ちを感じていました。伊坂幸太郎の小説といえば…

黒冷水(河出書房新社) 羽田圭介 あらすじと感想

§あらすじ兄と弟の冷たい戦争。泥沼の兄弟喧嘩。あらすじを纏めてしまうとこんな感じでしょうか。物語は基本兄の視点から展開されていきます。兄はやや独善的でプライドが高いですが、冷静で頭の回るタイプであるのに対し、弟は比較的幼く、直情的な性格です…

百瀬、こっちを向いて。(祥伝社文庫) 中田永一 感想

今作は4編の恋愛小説が収録された短編集です。どっかで聞いたことあるタイトルだなーと思って手に取りましたが、どうやら映画化していたらしいですね。短編集なのであらすじは飛ばして感想にいきます。§感想さて、自分は中田永一という作家の本を読むのは初…

フェルマーの最終定理(新潮社) S.シン あらすじと感想

§あらすじフェルマーの最終定理という言葉を聞いたことはあると思います。僕は残念ながら文系チンパンジーですので、数学というものはできるだけ避けて生きてきた人間です。しかしこの定理のすごいところはそんなおサルさんなぼくでも設問そのものは十分りか…

はじめに

はじめまして。このブログは某年間300冊本を読む方のブログに影響を受けて書き始めたものです。残念ながら自分には年間300冊本を読むなんて人間離れした生き方はできないので気の向くままに不定期更新で続けさせていただきたいと思います。所詮暇な大学生の…

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投稿テスト

塩狩峠

一発めですね。別にこの作品に思い入れがあるというわけではなく、単純に直近で読んだ小説なのでこの作品を選びました。面白かったです。 まだ読んだことがない人も、読書が好きでない方にもおすすめします。とても読みやすいので。 〜あらすじ〜 舞台は明治…

こんにちは。

はじめに、このブログはタイトルの通り僕の備忘録的な何かです。 読んで得することはないと断言することができます。大学生という無駄な生き物が無駄に暇すぎて始めてしまいました。 たぶん主に本の話になります。最近は本当に暇すぎて本ばっか読んでますね。…