塩狩峠

一発めですね。別にこの作品に思い入れがあるというわけではなく、単純に直近で読んだ小説なのでこの作品を選びました。面白かったです。

まだ読んだことがない人も、読書が好きでない方にもおすすめします。とても読みやすいので。

〜あらすじ〜

舞台は明治時代。武士の矜持は徐々に忘れられ、軽佻浮薄の世の中になっていた。そんな中、主人公はなかなか芯の通った男前な性格をしている。複雑な家庭事情で、子供の頃は母親と離れて暮らしていたが、なんやかんやで一緒に暮らせるようになる。この母親が実はキリスト教徒。当時差別的な扱いを受けていたキリスト教を主人公も忌み嫌うが、様々な人との出会いや別れを通じて熱心なキリスト教徒になるというおはなし。

 

疲れた。 正直後半はかなりてきとーです。要するにヤソ嫌いの主人公がキリスト教を信じる立派な大人物になるまで〜って感じですかね。

なんか妖しい啓発本みたいですね。実際かなり宗教色の強い本なので抵抗を覚える方もいるかもしれません。

でも面白いことは確かだと思います。

物語は最後に主人公が大きな自己犠牲を行って悲劇的な結末を迎えます。これだと単なる悲劇、もしくは道徳的な寓話のような美談です。

が、単なる優等生だった主人公が一見理不尽にも思えるキリストの教えを様々な困難にぶつかりながら、解きほぐし、自分の中で受け入れていく過程を噛み締めて読むとそこには本当の「犠牲」という言葉の意味が浮かび上がってくるように思います。

見返りのない犠牲とはなんなのか。

なんか考えさせられました、久しぶりに。

長々書きましたけど力不足で伝えきれない感が甚だしいので是非本作を読んでみてください。ヒロインの女の子とかマジ健気可愛いし、章ごとにかんがえさせられるから。

 

あとどうでもいいですが、キリスト教を受け入れ完全に覚醒(?)した主人公が俺TUEEE系の主人公に見えて仕方ありませんでした。なので劣等生とかそういうラノベが好きな人にもおすすめです(適当)